令和6年度高校入試 伊那北高校・伊那弥生ヶ丘高校の定員割れについて
令和6年度公立高校の入試で、「伊那北高校と伊那弥生ヶ丘高校の両校が定員割れ」が起こりました。
両校が同時に定員割れをするのは稀なことです。
先日、松進が開催した新中3生対象の「高校入試制度説明会」でも定員割れの原因について生徒・保護者の方に説明しましたが、ここに私たちの分析結果を掲載します。
➀私立高校志願者の増加
公立志向が強かった高校入試ですが、私立高校の手厚い指導や充実した環境、大学への進学実績等から近年私立高校志願者が増加傾向にあるように思われます。
もし今後、所得制限が撤廃され授業料の完全無償化が実施されることがあれば、私立高校の志願者はさらに増えることが予想されます。
➁部活動
上伊那地区で伊那北高校、伊那弥生ヶ丘高校に次ぐ進学実績の赤穂高校ですが、好成績をあげている部活動が多く、特に野球部とサッカー部の成績が良く、強豪校に勝ったという話を耳にします。
伊那弥生ヶ丘高校に入学できる学力を持っていても、強いチームでレギュラーとして活躍したいという理由で伊那弥生ヶ丘高校を志望せず赤穂高校を志願した生徒もいたようです。
➂体験入学の評判
伊那北高校、伊那弥生ヶ丘高校の体験入学で行われた模擬授業は黒板やタブレットを使ったもので、中学で受けている授業とあまり変わらないとの感想を持った生徒が塾生の中にも多くいました。
一方で諏訪二葉高校、上伊那農業高校のように周りと話し合う探究の授業や活動的な授業を体験入学で行った高校に生徒たちは魅力を感じたようです。これらの高校で体験入学した塾生の学校見学後の評判は良く、それが志願状況にも影響を与えたように思われます。
地元で進学校として人気がある伝統校の定員割れには様々な理由があるように思われます。
いずれにしても定員割れは、魅力ある学校づくりの必要性をそこで働く教職員に投げかけているように感じました。